ライフサイクルと借入

…ライフサイクルのステージ毎に必要な借入を検証します。

ご存知の方も多いと思いますが、会社や事業にはライフサイクルがあります。
ライフサイクルとは、会社や事業が、導入期→成長期→成熟期→衰退期という成長カーブを描くという考えです。
ライフサイクルと借入の関係について見てみましょう。

ライフサイクルの例

飲食店を例に取ります。出店からお客様に認知されるまでの局面を導入期、お客様の評価を得て売上が増加していく局面を成長期、売上の成長が止まり、横ばいが続く局面を成熟期、お客様に飽きられて売上が減少していく局面が衰退期です。

飲食店の借入

飲食店の場合、導入期に出店資金を借入するのが一般的です。
店舗の設備資金として、1,000万円を7年返済で借りた場合、7年以内に1,000万円超の剰余金を生み出す成長カーブを描くことが必須条件となります。極端に小さな成長カーブや短いライフサイクルで寿命を終えてしまえば、残債を残して閉店することとなり、最悪の場合、法的整理をしなくてはなりません。それなりの成長カーブを描いたとしても、剰余金が1,000万円に届かなければ、リスケジュール等により返済期間の延長をしなくてはなりません。

単純な例で借入とライフサイクルの関係を説明しましたが、実際はもっと複雑です。より大きな成長カーブを描くために、成長期に借入を行って複数店舗を出店する経営者もいます。また、衰退期に借入を行い、店舗のリニューアルにより再度成長カーブを描く経営者もいます。各ステージにおける借入の役割と注意点を説明します。

導入期の借入

借入はてこの役割を果たします。導入期に500万円の自己資金を有していた場合、借入を行わず500万円だけでお店をつくる場合と、1,000万円を借入して1,500万円でお店を作る場合では、期待できる成長カーブの大きさが変わります。
5年から7年でどれくらいの規模に成長させたいかをイメージして借入の額を決定しましょう。

成長期の借入

事業の拡大に伴い、業種によっては運転資金需要が旺盛になります。経常運転資金は、売上債権や在庫といった資産を見合いに行う借入ですので、成長に伴って借入が膨らんでも問題はありません。しかし、新たな設備資金の借入は、導入期に行った借入が順調に返済できていることが前提です。導入期の借入が順調に返済できていないということは、予定どおりに成長カーブを描けていないことを意味しています。マイナスからのスタートになりますので、リカバーが本当にできるかどうかの見極めが必要です。

成熟期の借入

成熟期は利益を享受する時期です。新たな借入の需要はありません。成熟期でも資金が忙しい場合は、予定通りの成長カーブを描けていないことを意味しています。成長途中の踊り場なのか、衰退期に向かう局面なのかを見極め、必要に応じてリスケジュール等の対応が必要です。

衰退期の借入

事業が先細りしていく過程ですので、衰退に伴って借入も減らしていきます。店舗のリニューアルや商品改良により、第2次成長カーブを描くことを目指すならば、新たな借入を検討しますが、寿命に逆らう追加投資は創業よりも難しいと言われます。
引き際を見誤り最後に大きな借入を抱えてしまうことも珍しくありません。

会社や事業には寿命があり、山を登った後には必ず下らなければならないことも考慮して借入を行う必要があります。借入の状況を、ご自身が描こうとしている成長カーブの大きさや現在の位置に照らし合わせて検証することも大切です。

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