融資申し込みの時の必要書類と融資実行までの流れ

融資申込時の必要書類と融資実行までの流れ

融資申込時の必要書類

融資申込時の必要書類は、その資金使途により異なります。金融機関には様々な融資商品がありますが、一般的な融資の種類としては、「運転資金に充てる為の融資」と「設備資金に充てる為の融資」に大別され、それぞれで融資申込時の必要書類が異なってきます。

運転資金に充てるための融資

運転資金に充てるための融資の申込時に必要な書類は、一般的には下記の書類となります。

  • 決算書3期分
  • 直近の試算表
  • 資金繰り表
  • その他金融機関所定の融資申込書類

運転資金を調達する際、決算書と試算表のみを持参し、資金繰り表を持参しない(そもそも資金繰り表を作成していない為、持参できない)方がいますが、この場合は融資申込額について、「なぜこの金額が運転資金として追加で必要なのか」ということについての説明資料が何もないという事になります。そのような場合、金融機関が独自に必要な運転資金額を算出することになり、状況によっては希望額通りの融資がおりないという事にもなりかねません。そうならない為にも、今回の融資申込額の必要性について、資金繰り表を持参して説明することにより、その金額が追加の運転資金として必要であることを理解してもらいやすくなり、希望額通りの融資が実行される可能性が高くなります。(注)返済能力等にそもそも問題があれば、資金繰り表があっても希望額の融資はおりません。

なお、その融資を申込む金融機関と初めて取引をする場合は、上記書類に加えて、代表者略歴や会社概要など、定性的な要因が確認できる書類を持参した方が、金融機関に会社のことをより理解してもらえ、融資審査がスムーズとなります。

設備資金に充てるための融資

設備資金に充てるための融資の申込時に必要な書類は、一般的には前述の「運転資金に充てるための融資の申込時に必要な書類」に加えて、下記の書類となります。

  • 投資計画書

上記の投資計画書には、今回の投資計画の概要、投資に伴う調達金額と投資金額のバランス、投資に伴う売上分析、投資前後の資金繰り表といった内容を記載します。そして一番重要な内容は、借入返済後損益分岐点売上高がいくらになるのか、その損益分岐点売上高が既存売上高に比べて無理がない数字なのか、設備投資に伴う借入返済がどの程度のリスクなのか等、金融機関視点で、借入が滞りなく返済されるという蓋然性が確認できる内容の計画書としておくことが重要となります。

融資実行までの流れ

融資申込から実行までの流れは、一般的には下記のような流れになります。また、融資申込から実行までの期間としては、概ね1カ月程度をみておく必要があります。もちろん、新たに取引を始める金融機関の場合は、最初は慎重に審査が行われますので、1ヵ月以上かかる場合もありますし、既にお取引のある金融機関に追加の融資を申し込む場合は、1ヵ月もかからず融資が行われる場合もあります。ただし、記載事項の不備等で書類の差し戻しや追加で資料を求められるなど、融資申込から面接までの段階で意外に時間がかかる場合がありますので、時間的な余裕をもって融資申込をされることをお勧め致します。

1.事前相談

2.融資申込(必要書類の提出)

3.面接

4.金融機関内の審査

5.審査通過の連絡

6.金銭消費貸借契約書の締結

7.融資実行

なお、信用保証協会の保証付き融資の場合、4.審査の段階で、銀行内の審査と並行して、銀行経由で信用保証協会へ保証の申し込みが行われ、信用保証協会においても保証の審査が行われますので、融資申込から実行までの期間は、少なくとも2カ月程度をみておく必要があります。