相続発生年度に建物の大規模改修があった場合

こんにちは。西東京市で相続・不動産税務専門の税理士事務所を開業しております税理士の清水と申します。今回のコラムでは「相続発生年度に建物の大規模改修があった場合」についてご説明致します。

建物の評価方法は、財産評価基本通達89に定められており、市区町村の固定資産税課が決定する固定資産税評価額により評価を行うことになっております。従って、納税者側で特別な評価を行う必要がなく、相続発生年度の固定資産税課税明細に記載されている固定資産税評価額の金額をそのまま用いることになります。しかし、相続発生年度に多額の大規模改修を行った場合、その建物の評価や大規模改修にかかった費用は、どのように取り扱えばよいのか、固定資産税評価額のみの評価で良いのかという疑問が生じます。
本コラムでは、このように「相続発生年度に建物の大規模改修があった場合」についてご説明させて頂きます。

財産評価基本通達89(家屋の評価) 

家屋の価額は、その家屋の固定資産税評価額(地方税法第381条(固定資産課税台帳の登録事項)の規定により家屋課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に登録された基準年度の価格又は比準価格をいう。以下この章において同じ。)に別表1に定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。

上記通達にありますように、建物の原則的な評価方法は、市区町村が賦課決定する固定資産税評価額に基づき評価を行うこととなる為、納税者側で改めて評価を行う必要がありません。

相続発生年度に建物の大規模改修があった場合 

国税庁質疑応答事例

質問

所有する家屋について増改築を行いましたが、家屋の固定資産税評価額が改訂されていないため、その固定資産税評価額が増改築に係る家屋の状況を反映していません。このような家屋は、どのように評価するのでしょうか。

回答

増改築等に応じた固定資産税評価額が付されていない場合の家屋の価額は、当該建物の固定資産税評価額に、当該増改築等に係る部分の価額として、その増改築等に係る部分の再建築価額から課税時期までの間における償却費相当額を控除した価額の100分の70に相当する金額を加算した価額(課税時期から申告期限までの間に、その家屋の課税時期の状況に応じた固定資産税評価額が付された場合には、その固定資産税評価額)に基づき評価します。
※内容を理解しやすいように、多少文言を変更しております。

実務上の対応

  1. 当該改修工事が固定資産税評価額に影響を与える工事かどうか市役所に確認する
    一般的に固定資産税評価額に影響を与える改修工事というのは、建物の延床面積に増減がある工事が該当し、単純に床や畳の張替え、外壁や屋根の塗り替えなどは、固定資産税評価額に影響を与える改修工事には該当しません。
    よって、金額の多寡に関わらず、行った改修工事が固定資産税評価額に影響を与える工事かどうか市役所に確認することをお勧め致します。
  2. 評価額に影響を与える工事であった場合
    当該改修工事が、固定資産税評価額に影響を与える改修工事であった場合、市役所に固定資産税評価額の評価替を依頼することが出来ます。そして、その評価替後の固定資産税評価額に基づき申告することになります。なお、評価替を行うと、その評価替を行った年度以降の固定資産税の負担が増えることになりますので、固定資産税評価額の評価替を行わずに、簡便的に前述の国税庁の質疑応答事例の方法で評価を行うのも一つのやり方です。
    ただし、国税庁の質疑応答事例の評価方法は、再建築価額から償却費相当額を控除した金額の7掛けとなる為、固定資産税評価額の評価替をしてもらった場合と比較して、かなり高い評価額となりますので、どちらが有利となるか慎重に判断をする必要があります。
  3. 評価額に影響を与える工事でなかった場合
    建物の評価はあくまで固定資産税評価額により行うことになりますので、相続発生年度に大規模改修があったとしても、固定資産税評価額に影響を与えない工事であれば、原則的な考え方からすれば、別途、相続財産を追加計上する必要がないという事になります。
    ただし、課税当局との見解の相違が生じる可能性がありますので、大規模改修について相続財産を別途計上するかどうかは、工事を行った時期や内容を確認し、慎重に判断をする必要があります。

 

イナリ税理士事務所では、西東京市のみならず、近隣地域の板橋区、練馬区、杉並区、武蔵野市、三鷹市、小金井市、国立市、国分寺市、小平市、東久留米市、東村山市、清瀬市エリアからのご相談を積極的にお受けしておりますので、相続・不動産税務、中小企業の税務会計に関するご相談がありましたら是非、初回無料相談をご活用頂ければと思います。
執筆日:平成29年9月4日
※上記コラムの内容は執筆日現在の法令に基づいて記載されたものですので、その後の改正等により法律が変更されることがありますので、ご注意下さい。

 

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