配偶者に対する持戻し免除の推定

こんにちは。西東京市で相続・不動産税務専門の税理士事務所を開業しております税理士の清水と申します。今回のコラムでは「配偶者に対する持戻し免除の推定」についてご説明させて頂きます。

平成30年7月に約40年ぶりとなる相続法の改正が行われました。改正の一つの柱として、「配偶者の生活保障」という観点が挙げられます。相続法は昭和55年の改正以降、大幅な見直しはされておりませんでしたが、その間、我が国日本においては、少子高齢化が急速に進み、また家族の在り方や価値観の多様化、権利意識の高まり等、といった人口構造や価値観の大きな変化がおこりました。特に高齢化という点では、日本人の平均寿命の高齢化に伴い、被相続人の相続開始時の配偶者の年齢が高くなり、高齢化した配偶者の生活保障、とりわけ居住権の確保が必要だという意見が多く、約40年ぶりに相続法が見直されることになりました。
本コラムでは、配偶者の生活保障の一環として改正された「配偶者に対する持戻し免除の推定」についてご説明させて頂きます。

内容

配偶者に対する持戻し免除の推定とは、簡単にご説明させて頂きますと、婚姻期間が20年以上の配偶者に対して行った居住用不動産の生前贈与や遺贈は、各相続人の相続分を計算する際の基礎となる相続財産に加算しなくてもよいという規定です。従って、仮に配偶者が自宅を遺贈で取得していたとしても、全ての財産から自宅を除いた残りの財産に対して2分の1の財産を相続する権利があるという事になります。

EX)

相続人:配偶者A、子B
相続財産:現預金5,000万円
※婚姻期間が20年以上の配偶者Aは生前に自宅2,000万円の贈与を受けている。

民法改正に伴う各相続人の相続分

配偶者A:現預金5,000万円×1/2=2,500万円
子  B:現預金5,000万円×1/2=2,500万円

結果として、配偶者Aは現預金2,500万円+自宅2,000万円の合計4,500万円を被相続人から取得することになります。
仮に、自宅2,000万円を特別受益として相続財産に持ち戻す必要があれば、
配偶者Aは、(現預金5,000万円+自宅2,000万円)×1/2=3,500万円が相続分となり、
生前に自宅2,000万円の贈与を受けていることから、遺産分割時には、現預金1,500万円のみしか相続することが出来なくなります。

贈与税の特例(贈与税の配偶者控除)と民法の特例との相違点

婚姻期間が20年以上ある夫婦間で行われる居住用不動産の贈与が対象となることは、2つの特例の共通点として挙げられますが、下記の点において2つの特例は異なります。

  • 贈与税の特例は2,000万円が非課税の上限であるが、民法の特例は上限を設けていない。
  • 贈与税の特例は居住用不動産を取得するための金銭も対象となるが、民法の特例は対象外としている。
  • 贈与税の特例は遺贈を対象としていないが、民法の特例は対象としている。

 

イナリ税理士事務所では、西東京市のみならず、近隣地域からのご相談を積極的にお受けしておりますので、相続・不動産税務、中小企業の税務会計に関するご相談がありましたら是非、初回無料相談をご活用頂ければと思います。

執筆日:令和元年5月15日
※上記コラムの内容は執筆日現在の法令に基づいて記載されたものですので、その後の改正等により法律が変更されることがありますので、ご注意下さい

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