経営コラム

資金繰りを改善させる考え方と資金繰りに強くなるコツを解説

会社経営と切っても切り離せない関係にある資金繰り。毎月のように頭を悩ませている経営者は少なくないはずです。お困りの方のために、資金繰りを改善させるポイントと資金繰りに強くなるためのコツを紹介いたします。以下の情報を参考にすれば、資金繰りとどう向き合えばよいかがわかるはずです。

資金繰りを改善させるためのポイント

資金繰りが悪化している場合は、原因を冷静に見極める必要があります。資金繰りが悪化する原因は、大きく以下の2つに分かれます。

・キャッシュインの減少
・キャッシュアウトの増加

キャッシュインとは、資金の流入のことです。例として、売掛債権の回収、金融機関からの借入、設備の売却などが挙げられます。すなわち、売上の減少や売掛債権回収の遅れ、費用の増加などでキャッシュインは減少します。

キャッシュアウトとは、資金の流出のことです。例として、商品の仕入れ、設備への投資、借入金の返済などが挙げられます。すなわち、過大な在庫、過剰な設備投資、借入金の返済などでキャッシュアウトは増加します。

いずれにせよ、キャッシュインの減少、キャッシュアウトの増加により、資金繰りは悪化します。

資金繰りが悪くなった原因を把握して対策を講じる

資金繰りが悪化する理由は様々です。資金繰りが悪くなった場合は、「キャッシュインの減少」によるものか「キャッシュアウトの増加」によるものか見極めたうえで対策を講じなくてはなりません。具体的な対策については、次に紹介する資金繰りに強くなるコツを参考にしてください。

資金繰りに強くなるコツ

資金繰りを改善するうえで重要になるのが、原因を見極めて対処することです。具体的な対処法は、以下を参考にするとよいでしょう。

入金サイト・支払いサイトを変更する

入金サイト・支払いサイトは、キャッシュイン・キャッシュアウトに影響します。基本的には、入金サイトはできるだけ入金期間が短く、支払いサイトはできるだけ支払い期間を長く設定するべきといえるでしょう。支払いサイトよりも入金サイトのほうが長いと、商品代金を受け取る前に支払いが発生するからです。売上が増えるほど、資金繰りは悪くなってしまいます。

取引先の情報を収集する

どのような売掛債権でも、貸し倒れのリスクはあります。貸し倒れが起きると、資金繰りは一気に厳しくなるかもしれません。貸し倒れのリスクを管理するため、取引先の情報を収集しておくことが重要です。取引先の経営状態に応じた売掛限度額を設定しておくと、万が一に備えられます。

不良在庫を処分する

いつまでも倉庫に眠っている不良在庫は、資金繰りをじわじわと悪化させます。仕入れ代金が売上につながらないばかりか、在庫管理に保管スペースや人件費が必要になるからです。長期間にわたり動きがみられない在庫は年度末に損失計上する、ルールを決めて売れない在庫を定期的に処分するなどの対応が必要です。

経理に興味を持つ

以上のほかでは、経営者が経理に興味をもつことも大切です。経理に興味を持たないと、資金繰りが悪化している原因をつかめません。「売上は伸びているのに資金繰りは厳しくなる一方」と考えている方は、経理に興味を持つことで状況を改善できるかもしれません。

資金繰りを改善したい場合は税理士に相談するとよいかも

資金繰りは、キャッシュインの減少とキャッシュアウトの増加で悪化します。改善のポイントは、原因を見極めて適切に対処することです。具体的には、入金サイト・支払いサイトを変更すること、不良在庫を処分することなどで改善できる可能性があります。ただし、有効な対策はケースで異なります。現在の状況によりとるべき対策は異なるので、税理士に相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。