経営コラム

金融機関対応・資金調達Q&A(その1)

Q1:銀行から追加の融資依頼「どこまで借りればよいか?」
Q2:リスケジュール依頼に対して「せめて半分は返済し続けて欲しい。(銀行担当者)」

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有するこ とを宣言する当事務所には、様々な相談が寄せられます。以下、 一部をご紹介させていただきます。

■Q1:

すでに借入れのある銀行から追加の融資依頼(「借りませんか。」) を受けています。資金にはある程度余裕があるようにも思いま すが、融資依頼をお断りすることになぜか不安も残ります。
「どこまで借りればよいか?」と悩んでいます。どのような基 準で判断すればよいでしょうか?

◆A1:

当事務所(銀行融資プランナー協会)では、このような時には 以下の基準をご提示して助言しています。

近未来の資金繰り計画に沿って、

  • 資金繰り計画上十分な余裕資金を持つこと。
  • 資金繰り計画(売上計画)自体が下振れする可能性を踏まえて、それでも資金繰りに困らない資金を確保すること。保険を掛けておくこと。
  • 金融機関は経営状態の良い時(晴れの日)だけ、融資依頼(「借りませんか。」)を行う、この事実を理解すること。悪くなれば(雨の日)、「貸せません。」の回答が返ってきます。

一方、

  • 借り入れが膨らめば、その金利負担が膨らむこと。
  • 手持ち資金が潤沢になれば、余分なお金を使いたくなる趨勢がある。

上記の様な長所と短所を天秤にかける必要があります。

近未来の経営状況を正確に読み切れるなら、最小限の資金で会 社は回せますが、近未来の経営に不確実性があるならば、余裕 を持つことが必要です。多くの会社様は後者ではないでしょう か。結果として、当事務所(銀行融資プランナー協会)では、 「借りられる時に、借りられるだけ借りてください。」と助言 する場合が多くなります。

当事務所にて、簡易的な近未来の資金繰り表(標準・良い時・ 悪い時)を社長様とミーティングしながら作成した結果、今回 銀行から提案された融資を受けることになりました。近未来の 資金繰り表を作成したことで、社長様は大いに安心されたご様 子でした。

向こう6か月~1年先までの資金繰り計画は常に把握できる ようにしてください。また、判断に迷うなら、借りてください。

■Q2:

資金繰りが厳しくなってきたので、銀行の担当者にリスケジュ ールを依頼しましたが、「せめて半分は返済し続けて欲しい。」 と言われています。半分も返済する余裕はありませんが、受け 付けてもらえません。どう対応すればよいのでしょうか?

◆A2:

(確認すると、試算表は提出しているものの、経営改善計画書 は作っておられませんでした。)銀行にリスケジュールを依頼 する時は、経営改善計画書が必要です。銀行は、この経営改善 計画書を基準に、リスケジュールの受け入れの可否や、返済額 の妥当性を判断します。一定期間返済猶予を受けることで、そ の会社・個人事業者様の経営が健全化することがリスケジュー ルの条件になります。返済猶予を行っても、経営が改善する見 込みがない時は、金融機関は返済猶予を受け付けません。返済 額を極小(0円)に圧縮することで、一定期間経過後に健全化 する経営改善計画書を作成することが必須でした。

当事務所にて、経営改善計画書を作成し、当事務所が主体的 に銀行対応を行った結果、スムーズに返済額0円でリスケジュ ールを行うことができました。経営改善の期間は5年です。
一年後に再度リスケジュールに応じてもらうためにも(通常リ スケジュール契約は一年毎に見直しを行います。)、銀行には 継続的な経営状況の報告が必要です。当事務所が継続的に銀行 とのやり取りを行います。

リスケジュールを依頼する時は、経営改善計画書が必要です。 金融機関が「せめて半分は返済し続けて欲しい。」と言うのは、 返済額0円にすることで、一定期間経過後に、経営改善が出来 るとする経営改善計画書を提出していないからです。