養子縁組と相続税の関係

こんにちは。西東京市で相続・不動産税務専門の税理士事務所を開業しております税理士の清水と申します。今回のコラムでは「養子縁組と相続税の関係」についてご説明致します。

養子縁組をすると相続税の節税になるということをご存知の方も多いのではないでしょうか。ただ、養子縁組をすると何故節税になるのか、といった理由まで正しく理解されている方は少ないと思いますので、本コラムでは、養子縁組の民法上と相続税法上の取扱い、そして最近判決が出た「節税目的の養子縁組は有効か否か」等についてご説明させて頂きます。

民法上の養子縁組の取扱い 

民法では、第792条から第817条まで養子縁組についての規定があります。内容としては、自分より目上の人を養子にすることは出来ない、配偶者のある者が未成年者を養子縁組する場合には配偶者と共にその未成年者を養子にしなければならない、未成年者を養子にするには家庭裁判所の許可がいる、等々、養子縁組についての様々な規定があります。なお、民法上は、養子縁組をする人数についての制限は設けられておりません。従って、極端なことを言えば、100人でも200人でも養子縁組をすることができ、「民法上」の相続人の数を増やすことが出来ます。

相続税法上の養子縁組の取扱い 

養子縁組をしていない家族においては、「民法上」の相続人の数と「相続税法上」の相続人の数は一致します。そして、相続税の計算においては、「相続税法上」の相続人の数が多ければ多いほど税額が有利に計算されます(内容については次の「相続人の数が影響を与える規定」でご説明致します)。つまり、子どもの数が多ければ多いほど、相続税の計算が有利になります。
しかし、養子縁組をした場合については、「民法上」の相続人の数と「相続税法上」の相続人の数がイコールとはならないケースが生じますので注意が必要となります。それでは、「相続税法上」の相続人の数はどのように計算されるかをご説明致します。具体的には、次の2つのパターンに分けて考えることになります。

養親に実子がいる場合

「相続税法上」の相続人の数は1人を上限に追加
つまり、2人以上の養子縁組をしたとしても、「相続税法上」の相続人の数は1人しか増えません。

養親に実子がいない場合

「相続税法上」の相続人の数は2人を上限に追加
つまり、3人以上の養子縁組をしたとしても、「相続税法上」の相続人の数は2人しか増えません。

なお、以前の相続税法は、「民法上」の相続人の数と「相続税法上」の相続人の数はイコールだったため、養子縁組をすればするほど、相続税の計算が有利になりました。しかし、それを逆手にとって何十人も養子縁組をして、相続税の節税をする方が現れてきたため、法律が改正され、現状の相続税法の取扱いになったようです。

相続人の数が影響を与える規定

遺産に係る基礎控除額

遺産に係る基礎控除額というのは、「財産がこの金額以下の方は相続税を納める必要がありません。この金額を超える方は、超える部分について相続税を納める必要があります」というもので、次の算式により計算されます。

3,000万円 + 600万円 × 相続人の数

上記算式からも分かるように「相続人の数」が多ければ多いほど、相続税を納める必要がない基礎控除額が増えることとなり、相続税の計算上は有利になります。

生命保険金・死亡退職金の非課税額

生命保険金や死亡退職金は、原則、相続税の課税対象財産ですが、次の算式により計算された金額までは非課税の扱いとなり、相続税が課税されません。

500万円 × 相続人の数

節税目的の養子縁組は有効? 

日経新聞などでも大きく取り上げられていましたが、平成29年1月31日、最高裁判所が、節税を目的とした養子縁組を有効とする判決を下しました。この裁判の内容としては、被相続人父Aには、長女、次女、長男の三人の子供がいて、長男の子供B(父Aからみれば孫)を節税目的で父Aの養子としており、父Aの相続発生後に、長女と次女が、「相続税の節税目的のみであり、養子縁組をする意思を欠いていたため、養子縁組は無効である」と主張し、無効確認を求めて提訴をしていました。
これに対して、第一審の東京家裁は「縁組の効果は有効」の判決でしたが、第二審の東京高裁は「縁組の効果は無効」の判決となり、一審と二審の見解が分かれていました。我々税理士も相続対策の一環として養子縁組をご提案することがあるので、最高裁の判決に非常に注目しておりましたが、最終的に、最高裁判所は第一審の判決を支持し、「専ら相続税の節税目的のために養子縁組を行ったとしても当事者に養子縁組をする意思があるのであれば、その養子縁組は有効」と判断しました。
今回の裁決事例で、養子縁組をする場合、他の相続人への配慮や当事者の意思判断能力の有効性の重要さを改めて感じました。

 

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執筆日:平成29年2月20日
※上記コラムの内容は執筆日現在の法令に基づいて記載されたものですので、その後の改正等により法律が変更されることがありますので、ご注意下さい。

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