区画整理事業中の土地の評価

区画整理事業中の土地の評価

こんにちは。西東京市で相続・不動産税務専門の税理士事務所を開業しております税理士の清水と申します。今回のコラムでは「区画整理事業中の土地の評価」についてご説明致します。

道路、公園、河川等の公共施設を整備・改善し、土地の区画を整え宅地の利用の増進を図る事業を土地区画整理事業といい、都道府県や市町村などの公的機関が主に事業主体となって行われます。仮に、この「区画整理事業」が行われている最中に相続が発生した場合、その土地の評価をどのように行うのか、また区画整理事業の進捗に応じて評価方法が変わるのかいう疑問が生じるのではないでしょうか。
本コラムでは、この区画整理事業の全体の流れ及び区画整理事業の各段階の土地の評価方法についてご説明させて頂きます。

区画整理事業の流れ 

概要

土地区画整理事業の実際の流れは、まず、地元住民とのまちづくり案の検討があり、次に都市計画の決定、施行規程・定款・事業計画の決定、土地区画整理審議会・総会の設置・・・・とかなり複雑な過程を経て区画整理事業が進んでいきますが、土地の財産評価で確認すべき区画整理事業の流れは次のようになります。

  1. 仮換地指定前
  2. 仮換地指定後
    ‐1使用収益開始前(仮換地指定の効力発生日前)
    -2使用収益開始後(仮換地指定の効力発生日後)
  3. 換地処分後

用語の説明

仮換地・・・区画整理事業後、自己に割り当てられる予定となる土地の指定のこと
使用収益・・・その土地を使用する権利
換地処分・・・換地(割り当てられた土地)に対する自己の権利が確定し、従前の宅地に対する権利が消滅すること

土地の評価 

仮換地指定前の土地

土地区画整理事業が開始していたとしても、仮換地が指定される前は、区画整理前の宅地(従前宅地)に基づいて評価を行うことになります。

仮換地指定後から換地処分前の土地

仮換地が指定され、換地処分前の土地の評価は、仮換地に基づいて評価を行うことになります。なお、区画整理事業中の場合には、路線価が付されていない場合が大半ですので、「個別評価申出書」という書類をその仮換地地域を管轄する税務署に提出して、個別に路線価を付してもらい、その路線価に基づいて評価を行うことになります。さらに、仮換地の造成工事が完了するまでの期間が1年を超えると見込まれる場合には、前述の評価額の95%相当額の評価となります。
ただし、仮換地が指定されている場合であったとしても、下記のいずれにも該当する場合には、例外的に区画整理前の宅地(従前宅地)に基づいて評価を行うことになります。

  • 仮換地について使用収益を開始することが出来ない事
  • 仮換地の造成工事が行われていない事

換地処分後の土地

換地処分がされた後の土地については、換地に対して自己の権利が確定している為、通常の土地と同じく換地に基づいて評価を行うことになります。

 

イナリ税理士事務所では、西東京市のみならず、近隣地域からのご相談を積極的にお受けしておりますので、相続・不動産税務、中小企業の税務会計に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

執筆日:平成29年8月14日
※上記コラムの内容は執筆日現在の法令に基づいて記載されたものですので、その後の改正等により法律が変更されることがありますので、ご注意下さい。

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