離婚に伴い自宅を財産分与した場合

こんにちは。西東京市で相続・不動産税務専門の税理士事務所を開業しております税理士の清水です。
今回のコラムでは、「離婚に伴い自宅を財産分与した場合」についてご説明致します。

婚姻期間中に形成された財産は、夫婦共同の財産という考え方に基づき、離婚を理由として自宅や現金を財産分与により一方から他方に渡すということは往々にしてあることだと思います。ここで、自宅を財産分与した場合、そして、財産分与を受けた場合に、どのような課税関係が生じるのかをご説明させて頂きます。

原則的な取扱い 

時価で譲渡したものとみなす

財産分与は、民法768条に規定する法律行為であり、一方から他方に無償で財産が移転するという点から見れば「贈与」と何ら変わらないと考えられます。
しかし、税務上は、財産分与をした者は、その財産分与をした財産をその時点での時価で譲渡したものと取り扱われることとなります(所基33-1の4)。その理由として、自宅を財産分与した者は、財産分与をする事により、「財産分与の義務」が消滅している為、「財産分与義務の消滅」という経済的利益の額を収入金額として、資産を譲渡したものと税務上は考えられているからです。

時価の算定

不動産を財産分与した場合、時価で譲渡したものとみなされるとはいえ、そもそも「時価」はいくらになるのだろうという疑問が生じます。第三者に対して、対価を伴って譲渡しているのであれば、その対価の額が「時価」になりますが、財産分与の場合には、対価を伴わずに資産の移転が行われていますので、そもそも「時価」がいくらかわかりません。従って、実務的な取扱いとしては、不動産仲介会社の時価査定金額や不動産鑑定士の時価算定の金額を用いることになります。

居住用財産の譲渡の特例適用が可能 

居住用財産の譲渡の特例が受けられる

自宅を財産分与した場合、時価で譲渡したものとして取り扱われることは上記でご説明させて頂きましたが、自宅を譲渡したのであれば、居住用財産の譲渡の特例(3,000万円控除等)が適用できるのではないかという疑問が生じます。
結論から申し上げますと、「離婚後」に自宅を財産分与し、所有権を移転した場合に限り、居住用の譲渡の特例が適用されます。その理由として、居住用の譲渡の特例は、譲渡の相手方が一定の親族(直系血族、配偶者その他同一生計親族など)であれば、適用を受けることはできませんが、「離婚後」の元配偶者であれば、一定の親族に該当しなくなるため、居住用の譲渡の特例を受けることが出来ます(措令20条の3)。

財産分与を受けた側の取扱い 

原則、贈与税は課税されない

離婚に伴う財産分与を受けた場合には、原則、贈与税は課税されません。その理由としまして、財産分与による資産の移転は、相手方から財産の贈与を受けたのではなく、離婚に伴って発生する「財産分与請求権」に基づいて財産の引き渡しを受けたものと考えられているからです。

贈与税が課税される場合

上記の原則的な取扱いにかかわらず、下記に該当する場合には、贈与税が課税されますので、注意が必要です。

  • 財産分与の額が、婚姻期間中の夫婦の協力によって得た財産の額に対して過大であると認められる場合におけるその過大部分
  • 贈与税や相続税の課税を回避する為、偽装離婚に伴う財産分与により取得した財産(相基9-8)

財産分与と慰謝料の違い

少し余談となりますが、財産分与も慰謝料も離婚に伴い、夫婦であった一方から他方に財産を渡すという点では同じですが、「財産分与」は、婚姻期間中に夫婦間で築きあげた財産を清算する行為であるのに対して、謝料」は、離婚の原因をつくった者からその相手方(元配偶者)に対してなされる精神的な損害を賠償する行為である為、両社は全く意味合いが異なるものとなります。

 

イナリ税理士事務所では、西東京市のみならず、近隣地域からのご相談を積極的にお受けしておりますので、相続・不動産税務、中小企業の税務会計に関するご相談がありましたら、是非、初回無料相談をご活用頂ければと思います。

執筆日:平成28年11月28日
※上記コラムの内容は執筆日現在の法令に基づいて記載されたものですので、その後の改正等により法律が変更されることがありますので、ご注意下さい。

 

その他の関連コラムはこちら

お電話でのお問合せ

平日 9:00 ~18:00

事前予約を頂ければ土日対応も可能

042-439-9515

メールでの無料相談

営業時間外のお問い合わせはこちらから

原則当日~翌営業日中にご連絡いたします

メールでの無料相談(24時間受付)